身に付けたい情報モラル

Ⅰ 情報収集の活動場面で

  1. 適正な手続きによる情報の収集
     個人情報の収集にあたっては、利用目的を明確にし、この目的を達成するための必要最小限の範囲で、適正かつ公正な方法で取得すること。なお、学校における情報の収集については、大阪市個人情報保護条例に基づいて行うこと。
     
  2. 著作権などの知的所有権の尊重
     著作権法を遵守し、著作権法で規定された範囲[私的使用のための複製(30条)、引用(32条)、学校その他の教育機関における複製(35条)、営利を目的としない上演等(38条)など]を超える著作物の利用は著作者の許諾を得る必要があること。また、表示権、氏名表示権、同一性保持権という著作者人格権についても尊重すること。
     特許、実用新案、意匠、商標などの知的所有権は、特許法など工業所有権に関する法律で保護されており、侵害することのないように留意すること。
     これらの知的所有権について疑問がある場合は、著作権については文化庁または関係団体、工業所有権については特許庁または関係団体が提供する情報を参照し確認すること。
     
  3. 情報の信頼性についての意識
     マスメディアやインターネットを通じて入手できる情報の中には、誤りや偽りがある場合もあり、複数の情報源からの情報を対照するなどして情報の信頼性を確認する必要があること。
     未知の相手からの情報や出所不明の情報に対する対応として、その情報に引用元などの情報源情報が含まれている場合は情報源から確認できるが、情報源情報が含まれない場合など確認の手段がない場合にはうかつに信用してはいけないこと。
     
  4. 情報の品質についての意識
     5W1Hの要素を含む正確で高品質な情報と、不正確であったり無意味であるなど低質な情報を見分ける判断力をもつこと。
     犯罪情報や、法令に基づいて年齢制限のある禁制情報、反社会的な活動を助長する情報など、情報内容についても適切に判断し、受け入れるか受け入れないかについて適切な意思決定をすること。

Ⅱ 情報発信の活動場面で

  1. プライバシーの保護
     他人の個人情報を無断で開示するなど、他人のプライバシーを侵害しないこと。
     自分の個人情報が目的外に利用されたり犯罪の目的に利用されるなどの例があることを知り、被害の予防のためにはむやみにプライバシーを開示しないこと。
     特にインターネット上に公開する場合は、インターネットが世界規模のコンピュータ情報ネットワークであることに留意すること。
     私たちは、世界中から発信された膨大な情報の中から必要な情報を瞬時にして入手できるが、逆に世界中にネットワークでつながっているため、情報を発信すると、全世界に公開され、個人のプライバシーを侵害してしまう場合がある。
     学級通信で子どもの氏名などの個人情報を公開する場合は、ある程度は安心であるが、インターネットの場合は、世界中にビラをまいたことと同じことになる。
     ホームページでの個人情報の発信やメールによるさまざまな情報の発信は、プライバシーを侵害したり、他人の人権を傷つけたり、場合によっては、重大な犯罪につながる恐れがあるということを常に念頭におかなければならない。
     
  2. 人権・著作権などの尊重
     自らの情報発信の結果として、他者の人権を侵害し損害を与える可能性もありえることに留意し、あらかじめ結果を予見することを習慣づけて、人権を侵害する可能性がある場合はその情報発信を控えるなど、情報発信にあたって慎重な態度を保つこと。
     著作物の複製利用や、Web ページなどによる公衆送信にあたっては、それぞれ著作者の許諾が原則として必要である。著作権法で例外的に認められた無許諾で利用できる範囲を超えて著作権を侵害することのないように留意すること。
     
  3. 情報発信に伴う責任
     発信する情報の内容について、正確性を保つとともに、情報の受け手が情報の信頼性について判断できるように根拠や引用元を示すなどして信頼度や信頼性の確認手段を明示すること。
     発信した時点では正確であっても、時間の経過によって情報内容が不正確となる場合があり、情報内容の更新など、正確性や情報内容の品質を保つためのメンテナンスが必要であること。
     発信した情報が及ぼす影響については発信者に責任があり、その責任には苦情などを受けた場合は誠実に対応する責任も含まれること。
     情報発信の際は、老眼や、視覚障害、聴覚障害などの人も含めて、すべての人に情報の利用が可能になるようなデザインを採用するという、ユニバーサルデザインの考え方をもって、情報の表現方法を工夫する必要があること。
     情報発信者には、これらのような人権への配慮と他人への思いやりの心が求められる。
     
Ⅲ コミュニケーションの活動場面で
  1. コミュニケーションマナー
     日常生活と同様、情報通信ネットワークを介したコミュニケーションにもエチケットがあり、ネチケット(netiquette)と呼ばれるネットワーク上のエチケットに留意してコミュニケーションを行うこと。
     
  2. 相手への配慮
     コミュニケーションを行う相手の存在を常に意識し、相手が一人で1対1 の通信を行う場合、相手が複数で1対多数の通信を行う場合など、TPO(Time、Place、Occasion )に応じてメッセージのやり取りを行う必要があること。
     ネットワークを介した通信では、相手が日常の人格とは異なった仮想的な人格を用いて通信を行っている場合がある。相手が誰で、どのような立場で通信を行っているかを見極めて、信頼するかどうか、対話を継続するかどうかなどを自ら判断する必要があること。
     通信相手を信頼し、相互に思いやりをもって通信することはコミュニケーションの基本であるが、それは相手によりけりであり、詐欺などの不正な行為の被害を受ける場合や、デマの流布を中継することで自分自身が加害者となる場合があることにも留意し、相手の信頼度を確認しつづける態度を保つとともに、信頼できない相手とのコミュニケーションは打ち切るなどの毅然とした態度をとるべき場合もあること。
     
Ⅳ ネットワークの利用全般において
  1. ガイドラインの遵守
     学校内のネットワークや、地域の教育ネットワークなどで定められたガイドラインや規定がある場合には、それを遵守すること。
     また、個人情報保護条例などの地域の決まりにも留意すること。
     
  2. セキュリティへの配慮
     不正アクセスやコンピュータ ウィルスなどの被害を防止するために、コンピュータシステムの利用者として、コンピュータ セキュリティについての知識をもち、セキュリティを保つ運用を心がけること。 特に不特定多数のコンピュータ間でファイルを提供しあう、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」に対しては情報漏洩に留意すること。
     
  3. コンピュータ犯罪に巻き込まれないための対応
     管理者であると詐称したり、援助をすると偽るなどして、コンピュータシステムについての詳細な情報や、パスワードなどの秘密を聞き出す詐欺被害がもとになってコンピュータ犯罪が行われる場合がある。セキュリティに関する情報は、自分のみならずコンピュータシステムの利用者全体の安全にかかわるため、むやみに漏らさないような態度が求められる。
     
  4. 日常社会の常識について
     インターネットでは、児童生徒であっても一般社会人と同等の扱いを受ける場面が多い。契約の履行義務、損害賠償責任など、日常社会の常識についても身につけておく必要があり、これを怠るとネットワーク使用犯罪の被害を受ける可能性もあること。
     日常の生活の範囲内では軽微とみなされるミスであっても、情報通信ネットワークを介した場合、影響範囲が広範になったり、影響する量が大量となる場合があり、その場合の損害賠償責任が甚大なものとなる可能性がある。そのため、情報通信ネットワークを介した行動では、特に慎重な態度が求められること。
    (『インターネット活用のための情報モラル指導事例集』を参考に作成)